多店舗化を阻む“集客の罠”
2026/07/06
御社の「店頭売上」と「催事売上」の比率は?
多店舗化を阻む“集客の罠”
皆様、こんにちは。
最近、松尾芭蕉の俳句の真髄と言われる「不易流行(ふえきりゅうこう)」という言葉の重みを、改めて考えさせられる出来事がありました。
「不易」とは、本質であり、時代を経ても変わらないもの。 「流行」とは、その時代に応じて変化し、いつかは廃れるもの。
この2つを合わせた「不易流行」は、総じて**「いつまでも変わらない本質(不易)の中に、新しい変化(流行)を取り入れること」**と解釈されています。
ビジネスにおいても、「古いものの中にある本質を見極め、今の時代に活かすこと」が極めて重要です。では、我々のような店舗販売業における「不易流行」とは何でしょうか?
これを問い直すことで、現在の小売業が抱えるある大きな問題が見えてきました。
■ 多店舗化が頓挫する「本当の理由」
例えば、多店舗化による成長を目指している企業があったとします。 あるコンサルタントから「とにかく集客に特化した営業展開に注力せよ!」と指導を受け、社長は3年、5年と「集客催事の売上」にこだわり続けました。結果として売上は伸び、3店舗、4店舗と出店を果たすことができました。
ところが、ある段階で多店舗化がピタリと頓挫してしまうのです。 なぜでしょうか?
それは、店舗経営の「不易(本質)」を見失ってしまったからです。
そもそも多店化の不易とは、「店舗を増やすことでお客様の生活圏に近寄り、より多くのお客様の役に立つ」という理念です。つまり、「お店の近くにいるからこそ、お客様は便利に利用してくれる」という当たり前の事実です。
しかし昨今の「集客催事」は、その本来の商圏を大きく超えてしまいます。隣の自店まで5~6kmという距離感を無視し、10km、20km、時には30km以上という遠方からお客様を呼び込みます。ネット集客に至っては100kmを超えることも珍しくありません。
■ お店の「存在意義」を否定していませんか?
こうして広域からの集客だけに特化し、売上を作り続ける手法は、実は**「店舗がそこにある存在意義」を自ら否定する結果**を招きます。
「そこにお店があるから、近隣のお客様が自然と立ち寄り、新規客が増え続ける」
この店舗経営における最も強力な武器(不易)を忘れさせてしまうのです。既存の顧客カルテからの売上が頭打ちになり、いざ新規客が必要になった時、現場は混乱します。
・気合いと人間力だけで、無理やり新規カルテを獲得するのか? ・それとも、毎日の店頭活動から「自然に」獲得できる仕組みを作るのか?
平たく言えば、これは**「店頭売上」と「集客売上」のバランスの問題**なのです。
■ 御社の「売上比率」は今、どうなっていますか?
「店頭売上:集客売上 = 1:9」というお店もあれば、「5:5」のお店もあります。
「1:9」は極端に行き過ぎていると感じるかもしれませんが、現実に、呉服業界にはこうしたお店が多数存在しています(アパレルや寝具、ジュエリー店舗では「5:5」程度を維持しているお店も多く見られます)。
売れにくくなってしまったお店ほど、過度に集客力(催事)に頼りきってしまっているのが実情です。 しかし、「お店の存在意義 = 店頭での自然な新規客獲得」が不足したままでは、健全な多店舗化は決して成り立ちません。ここが、多くの店舗がぶつかる最大の壁なのです。
【読者の皆様へ質問です】
さて、御社の現在の「店頭売上:集客(催事)売上」の比率は、どのくらいでしょうか?
もし、「1:9」に近い状態になっており、今後の新規客開拓や成長に限界を感じているなら、一度立ち止まって自店の「不易(本質)」を見直すタイミングかもしれません。
- 「では、どうすれば自然に『店頭』での新規客を獲得できるのか?」
- 「自店の場合、集客催事とのバランスをどう立て直せばいいのか?」
- 「現場のスタッフに、どんな意識を持たせればいいのか?」
お読みになって、このような疑問や自店への危機感を持たれた方は、ぜひこのメールにそのままご返信ください。御社の現状をお伺いした上で、何から手をつけるべきか、具体的なアドバイスをさせていただきます。
ご質問・ご相談をお待ちしております。
不易と流行
私は最近、松尾芭蕉の俳句の真髄と言われる「不易流行」と言う言葉に教えられたことがあります。
不易とは、「本質。時代を経ても変わら無いモノ」を指すと言われています。流行とは、「その時代によって流行していること。いつかは廃れること」を指すと言われています。この2つの言葉を合わせた「不易流行」とは、総じて「いつまでも変わらないものの中に、新しい変化を取り入れること」と解釈されています。
ビジネスも、「古いモノの中にある本質を見極め、今の時代に活かすこと」が大事な訳です。では、我われの店舗販売業においての不易流行とは?と問うことで、いろいろ見えてきたことがあります。
それは・・・
多店化による成長を目指している企業に、あるコンサルタントが「とにかく集客に特化した営業展開だけに注力せよ!」と言ったとします。これを聞いたクライアント先の社長は、とにかく集客催事の売上に、3年5年とこだわり続けた。結果的に、売上は大きく伸びて3店舗4店舗と出店を可能にしました。
ところが・・・
ある理由で、多店化が頓挫しています。と言うのは、多店化の不易とは「店舗を増やすことでお客様に近寄り、数多くのお客様のお役に立つ」という理念です。これはつまり「お店に近いお客様がわが店をご利用されるのですが、遠くなるほどお客様は不便となり利用されなくなる」と言う事を表しています。
そこで、仕方がないので「遠くのお客様の近くに新しいお店を出す」と言うのが、商業経営の不易として多店化があります。しかし昨今の集客催事は、そのパワーの範囲を超え、10Km・20Km・30Kmと、かなり便の悪い距離まで拡大しました。40Kmや50Kmは少ないとしても、隣の自店まで5~6Kmが「多店化の距離」とされた時代から、平気でそれを超えて集客活動を展開します。ネット集客は100Kmさえ、超えて集客するのです。
ここに来て、多店化の「お客様の近くに行く」という意味合いが変化しているのに気が付きます。集客だけに特化して、売上を上げ続ける手法は、店舗の存在意義を否定し続けます。そこにお店があるから、お客様が増え続けるという事実を否定する結果です。店舗があるから、その近辺のお客様が立ち寄るという現実です。これが、お店の新規客確保に一役買っていることを忘れさせるのです。
現存する顧客カルテからの売上が底を付き、新規客の必要性を感じるときに、店頭現場では新規カルテを人間力で獲得する方法と、常日頃の店頭から毎日自然に獲得る方法のどちらを選ぶかという違いになっています。つまり平たく言えば、店頭売上と集客売上のバランスの問題になっています。
「店頭売上:集客売上=1:9」のお店があれば、「5:5」のお店があります。「1:9」は行き過ぎと感じますが、現実にそういうお店は呉服屋さんに多数存在します。また「5:5」程度のお店は、アパレルや寝具、宝石ジュエリー店舗に存在します。そうです、売れにくなってしまったお店ほど、集客力に頼っているわけです。しかし多店化するには「お店の存在意義=店頭新規客数」が不足すれば、多店化は存在しません。ココが呉服店さんの大きな課題かもしれません。
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