TEL集客をコントロールする
2025/03/10
部下へ丸投げではコントロールできません。この集客活動をコントロールできるか?できないか?が、「店長の技術」の中でも年間売上高に最も影響がある優先順位の高いものです。実は、このTEL集客の注意事項の考えを深め・考え続けることがお店の年商(年間売上げ)を決めていることをお忘れなく。
Ⅰ.TEL集客を始める前に準備すること
1.TEL部屋(空間)を用意する
①TEL者数とTEL台数を考慮し、全員が1部屋でTELできるよう準備する。
②電話機の台数が不足の時は、仮設電話や携帯リースを活用する。
2.2人以上でTELする
①「TEL作戦」と言うぐらいなので、最低でも2人以上を一緒に行動させないと効果が薄い。従ってTEL作戦中の稼働計画(出勤計画表)は、予め2人以上で組む。
②TEL作戦中の出勤稼働計画の優先順位は、集客活動を店頭活動より優先する。
③店頭売上と集客売上とを比べれば、集客売上が2~3倍あるのだから、集客期間の1週間は一人あたり一日休みとし、TEL作戦期間外の店頭日に、不足分の休日を確保する出勤計画を立てる。
3.コントローラーを一人決める
①基本は店長がコントローラーです。不可能な日は必ず代理を置く。
②「ブレスタイムチェック」と「1時間に一回の励まし声掛け」の2つが、コントローラーの最優先の仕事です。
③TEL集客をコントロールするには、スタッフを動かす(命令する)ことの上手い下手が出ます。これこそマネジメント技術であることを、自分を含めて代理をおくときに配慮しないと「本人通話件数」を確保出来ません。
④「誰が言うか?」で、スタッフはTEL活動に反感を持ったり、好感を持ったりします。通常の営業時の人間関係を見ながら、店長は代理のコントローラーを置く日には「誰がやるか?」を配慮して決めてください。
4.必ず仕切り板を!
①スタッフとスタッフの間に仕切板をおき、隣が見えないような空間を作る。
②机の上を仕切るのではない。隣の人の体が見えないように仕切る。
③むだ話が減り、意識の集中効果がある。本人通話件数で毎時間2〜3件の違いが統計上には出ています。
④一時間当たり、7件程度の平均本人通話数は可能である。これ以上の本人通話件数を上げさせてこそのプロの店長です。
5.一人当たりのカルテのリストアップ数
①300~400件ほどがベスト。
②カルテは多ければ多いほど、本人通話数を確保できる。1週間あたりの本人通話目標はリストアップカルテ数の70~80%程度の目標としスタートさせるのが、効率も良くベストです。
③1週間の本人通話率は、500件以下なら70〜80%が可能です。通話件数を上げるには、当初スタート時のカルテ保有件数が問題で、できるだけ多めにするのがコツです。
④毎回同じリストアップ数では、TELが繋がる人しか話ができないため、「顧客創り」の観点から考えると、リストアップの数と質を毎回変える工夫がいります。
⑤300件未満は、後半に繋がらない時間帯が増えるため、スタッフにとって同じお客様に何回も掛けるために、かなりのプレッシャーになりますし、お客様からのクレームも増えます。
⑥カルテの情報量が増えれば、各々の顧客にTELが繋がる曜日と時間帯が分かるようになります。
Ⅱ.TEL集客作戦中に実施すること
1.初日は「動機つけ」目的の「催事説明会」を行う。
①実際のTEL初日と催事説明会は連続した日にする → 単に忘れるから
②商品説明を問屋メーカーに来店して行うよう要請すると良い。
③2日目から実際のTEL活動開始。
2.TEL作戦の目的は2つある。偏った判断をしないよう注意する。
①「次回催事の来場者作り」と「お得意様作り」の2つの目的です。
②2つの目的を、ブレスタイムで何度も注意する。
③「創客(顧客創造)」意識の醸造 → 動員中のコミュニケーション数で、集客活動をやればやるほど。顧客カルテの質は徐々に高まってきます。
3.商品の話を「入れるOR入れない」を話し合う
①下位ランクのカルテを含めて多数の集客をする催事ほど、商品の話を避ける。
②高客単価狙いのお得意様催事は、商品を含んだ集客トークとする。
4.ロープレでトーク内容を決める
①トークスクリプトの作成は、カルテ客の内容によって一人ひとり微妙に違うものです。一様にトークスクリプトで内容を決めてしまうことは避けましょう。
②スタッフ個人の意志で創るお客様の内容に合わせて語る。上司のトークスクリプトによる一様な命令はダメ!
5.DMの中に話材を3つ程度入れるたストーリーを創る
①来場記念品と超特価サービス品とその他の3つ程度が話材が必要です。
②ストーリーで語る「串刺し企画」などは説得力が増します。
6.チェック表で分析しながら改善努力!
①チェック表を使って、TEL集客中に苦しんでいるスタッフの「OKの取れない原因」や「本人通話件数を伸ばせない原因」を分析して、上司としてアドバイスできるようにすることが部下から信頼をされるポイントです。
②サクラ経営で用意した分析用チェック表の3つ
⑴TELチェックシート → TEL集客中は一人一日1枚
⑵確約チェック表 → 分散動員は会場売上を左右します
⑶ランク別集計表 → Sランク客程度しか来場しない。
7.会話内容にランクを付け、分析するため「TELチェック表」付け。
①ランク付けすると、いろいろ分析できるためスタッフを助けることができる。
②チェック表を付けることは「かなりの手間」になります。付けるのと付けないのとでは、長く付けていると店長技術に雲泥の差が出てきますので、3年後5年後のハイスペックな高収入店長を夢見て、手間でもチェック表を付け続けてみてください。きっと店長としての、大きな気づきを得られるようになります。
8.隣のスタッフを変える
①隣の人の声が常時聞こえることにより、狭い一室でチーム活動を続けていると、スタッフは段々似て来ます。
②上手い人の隣はうまくなります。
9.1時間に一回止め、ミーテイングをする(ブレスタイム)
①コントローラーは、この1時間に有ったことを伝える。
②他の人も苦労をし、努力していることを伝える。
③全員で戦う場を共有し、チーム一丸のムードを創る。
10.コントローラーは、各TEL実施者に1時間に1回は声をかける
①注意するわけでは無い。愛情を注ぐ。
②注意や命令は避ける。あなたの努力に気づいていることを、それとなく伝える。
②一言、感想を述べる「OKは1件とれたね」「通話が7件は凄い」など。
③ほめ過ぎない。ほめ過ぎは人にもよる。厳しい現実もある。
11.朝礼(昼礼)を実施する
①昨日のTEL集計表を使って朝礼をする
②なぜ?朝礼をするのかをはっきりさせる
12.休憩を1日に二回入れる
①労基法上も1日一回の休憩をとる必要がありますが、それ以上に長時間TEL集客を続けることは疲労が蓄積します。3時間を限度に、ブレスタイム後に20分間の休憩を取らせましょう。
②つまり、夕方の休憩は遅くとも昼休憩後3時間で取ります。
③そのため、店頭人員とは別に集客人員の時間を取っている状態を作ってください。
13.カルテ(ORリスト)でTELする
①リストアップは、顧客の管理システム上大きく分ければ「カルテ」と「リスト」の2種類があります。この2種類が混在したままTEL作戦を始めると、机の上で混乱が始まります。
②「このお客様はTELしたかな?」「この人済んだ人?」などと、TELするお客様を探すだけで時間がかかるようになり、一時間当たりの本人通話数がみるみる落ちてゆきます。
③通常リストはPC管理システム、カルテは個人別管理システムとなっている店が多いのですが、顧客管理型営業を開始する初期段階では「カルテ・システム」が手作業としては管理し易く便利でしょう。
④まずは、どちらかに決めて時点の顧客管理システムを追求することからスタート。
14.来場者を時間帯別に把握する(確約チェック表)
①分散動員は、会場運営の最大のコツです。一日中、お客様がどの時間帯にも万遍無く来場し、朝から晩まで隙間なく続いている状態が最も売上高が上がります。
②一時間当たりの来場予定者数を制限する。会場でのクロージング販売社員数とクロージング・コーナー数を考慮して、来場予定者数に安全制限枠を設ける。それ以上来場予定者を増やさない。
③一日の来場時間帯を3つに分け、来場者数を制限する。昼1時ころと、夕方4時ころには必ず閑散時間帯があります。このことも考慮し、1時と4時を境に、時間ゾーンをA・B・Cと3つに分類して、そのA・B・C時間帯ごとに来場予定者数に制限を設け、それ以上のOK取りにストップを掛ける。
④来場予定者数のチェックは2通りあります。一時間あたりと、A・B・C時間帯の2通りの制限となります。
15.お待ちしてますはがき(入場券)
①来場予定時刻の入ったハガキを、予定時刻を忘れないようにするために催事前日に着くように出す。
②少し工夫をして、封書で出したり、入場券や招待券として発送するのも良い。
16.常時TELスタッフの声を聞いて、その都度配慮する
①集客期間中に、上司は部下からの意見を聞いているだけで、集客に関して多くのことを感じ、多くを発見し、分析できる。
②できるだけTEL会場に居て、スタッフのTELトークを聞いておくだけでも多々のことが分かってくることがある。
③スタッフに注意したり、訂正をしたりしようとせず、とにかく積極的に聴いてあげることから始める。
Ⅲ.催事終了後、実施すること
1.サンキューレター(お礼状)を出す
①催事終了の翌日は、全社員の出勤日と決める。
⑴サンキューレターの発送
⑵カルテに新たにえた情報記入
⑶販売商品の確認 等々
の作業日と決める。
②大型店では「後処理の日」を、お店が催事後の連休に入る前に、全員出勤の「後処理の日」として催事翌日に取っている。
2.催事終了後に部下一人一人と、個人別ミーテイングをする
①30分~1時間程度の個人別ミーティングは、直属の上司としての週一や月一の定期的なルーティン作業である。
②催事実績表から、「今後の顧客作りをどうすか?」という個人別ミーティングをする日を予め決める。
③最低月一度は実施してほしい!。
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