素質のある人材
2025/02/27
今回も、あるクライアント先の社長と催事会場内で立ち話をしていて、ふと気づいたことがあったので書いてみようと思い立ちました。
顧問先の企業では最近、採用が難しくなったとおっしゃいます。
しかし、私から言わせると「そうでも無い」と思っています。
・・・というのは、本当は、「自分がどういう人を採用したら良いのかを具体的に分かっていないから、採用する人が不明確で、自分の目の前に表れる面談者の内誰を採用したら良いか分からない?
だから、どんな人を採用しても失敗したと感じ、結果良い採用ができない」
と言っているように感じるからです。
たとえば、3ヶ月ほどの採用強化期間に責任をもって面接をした真面目な営業部長さんがいました。
彼が面接をした人15人ほどを全部断ったという事実を聞き、質問してみました。
「どんな人を採用しようとしているのですか?」という質問に、その部長はどう答えたか。
「このAさんは歳が50歳代で歳を取り過ぎ」
「このBさんは、太っていて宝石を売るような女性ではない」
「Cさんは、お店から遠くて車通勤に1時間くらいかかるのでダメ!」
「Dさんは、服装にセンスが無く、ちょっと宝石は売れないと思った」等々でした。
私は愕然としました。
こういった採用の仕方をさせてしまった社長も社長なのですが、
私は「しまった、面接をまかせる前に採用基準について、ちゃんと話しておくのだった」と後で悔みました。
その後、採用基準を決め「採用すべき人」と「採用してはいけない人」を明確にし、
「面談数と面談率、採用率」の3つをチェックしながら、その企業の採用システム改善を行って行きました。
その中でも、今までのコンサル経験から、最も採用の成否を決めているポイントは、自店にとって「素質のある人」です。
これが見えてないお店は、ちょっと何を頑張っても上手く行かないようです。
簡単に言います。採用するなら、「顧客に見合った人」を選ぶことです。
最近の宝飾業で、ブライダルを強化したいなら「結婚適齢期の30歳前後の男女」です。
時計販売を強化したなら、男性客が多いと思うので「男性の20歳代~40歳代」です。
宝石なら、お金持ちの女性顧客が多い「50歳~70歳くらいの女性」が即戦力になります。
理由は、大半のターゲット顧客と話が合うからです。
また、顧客管理という長く付き合って行く努力をするなら、同性で同年齢が良いに決まっています。話が合うからです。
18~22歳の新卒女性が、70歳くらいのお客様と5年も10年も長く付き合って行くのは、ちょっと無いと思うからです。
即戦力を狙う中途採用はこのように考えます。
しかし新卒採用やスカウトはちょっと話が違っています。
新卒採用は、企業の生き残りを掛けた世代の繫ぎを確保するためです。
スカウトは、必要に応じて幹部を得る方法を駆使します。
これは、少し準備が要りますが、実は案外すぐにできるようになります。
なぜならば大手企業を辞めたいと思っている店長以上の人材は多く、その上行き場が無いからです。
出逢えれば良いだけです。案外、簡単にできます。
このように3種の性質の違う採用を、タイミングに応じて使い分けることが、ベストの人材確保を促し、夢のある自分の作りたい企業を目指すことができるようになります。
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サクラ経営研究所
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小売業で採用すべき人材を学習
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